(猫の爪)柔らかい蹠 の、鞘のなかに隠された、鉤 のように曲った、匕首 のように鋭い爪!
梶井基次郎 / 愛撫 ページ位置:58% 作品を確認(青空文庫)
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爪
猫
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前後の文章を含んだ引用
......え、私にとっては問題ではなくなってしまう。しかし、はたして、爪を抜かれた猫はどうなるのだろう。眼を抜かれても、髭 を抜かれても猫は生きているにちがいない。しかし、柔らかい蹠 の、鞘のなかに隠された、鉤 のように曲った、匕首 のように鋭い爪! これがこの動物の活力であり、智慧 であり、精霊であり、一切であることを私は信じて疑わないのである。 ある日私は奇妙な夢を見た。 X――という女の人の私室である。......
単語の意味
鉤(かぎ)
鉤・・・先の曲がった金属製の道具の総称。曲がった部分に物をひっかけて使う。手術用なら組織に、漁具なら魚や貝にひっかける。武器として敵をひっかけるものもある。フック。ちなみに、かぎかっこ(「」)は、鉤の形をしたかっこという意味。
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真珠のように白く塗られた爪先
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
土がなかに入って黒ずんだ爪
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
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猫の表現・描写・類語(地上の動物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
八万八千八百八十本の毛髪を一度にたてて身震 いをした。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
白い猫が一匹、よその家の軒下をわたって行った。
梶井基次郎 / 城のある町にて
毛虫のようにきたないから、ケムというくらいで
松谷 みよ子 / 黒ねこ四代「黒ねこ四代・火星のりんご ほか (松谷みよ子全集)」に収録 amazon
シャム猫のフロがあがって来て、しきりに邪魔をする。本をひらけば、そのページの上へ乗る。それならというので別の地図をひろげると、わざわざやって来て地図の上へ寝そべる。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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ぶどうを食べる時の、淡い紫色に染まった弟の指先は、上等な工芸品のように繊細だった。混ざりけのない透明な皮膚に、ぶどうの果汁がしみとおっていくのを、わたしは飽きもせずじっと見ていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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コロは小さな急行列車のようなかっこうで走ってきて
小出 正吾 / 名犬コロのものがたり (幼年文学名作選 amazon
(子供が)猿のことを山の若い衆とかやえんとか呼んでいた。
梶井基次郎 / 城のある町にて
鼠の尾は、鼠の身体とは別物の、ゴム製の鞭の先か何かのように、巻き上ったり、伸びたりした。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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