川の音も、水音としてではなくて、夜そのものが音を出しているような不思議な響きとして届いてくる。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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川の音(せせらぎ)
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前後の文章を含んだ引用
......考えが止まってしまった。 月が真っ黒な空に小さく光って、沈む街並みに真珠みたいに映えていた。 窓を開けると下の道を歩いていく人々の笑い声がかすかに聞こえてくる。川の音も、水音としてではなくて、夜そのものが音を出しているような不思議な響きとして届いてくる。 風も、どこから来たのか、どこかものすごく遠いところか、ものすごく近いところか、わからないくらいに自分を丸ごと取り巻いているように感じられる。恐ろしい臨場感だっ......
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川の音(せせらぎ)の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
しゃら/\川瀬の音を立てゝいた。
岡本かの子 / 巴里祭
小川のせせらぎが、どこか遠くから響いてくるように眠たげ
山本 周五郎 / やぶからし amazon
ひるすぎになって谷川の音もだいぶかはりました。何だかあたたかくそしてどこかおだやかに聞えるのでした。
宮沢賢治 / ひかりの素足
空はよく晴れて谷川はさらさら鳴りました。
宮沢賢治 / 風の又三郎
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「音の響き」カテゴリからランダム5
黒い小さい機械(電話)が、いきばって身を震わせ、喚(わめ)き立てているように感じた。
吉行 淳之介 / 闇のなかの祝祭 amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
湖水のように静かな海
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
この大自然を見ていると、なんと人間の力のちっぽけな事よと思うなり。
林芙美子 / 新版 放浪記
欲望をむきだしにしたしつこく甘えかかるような鷗(かもめ)の鳴き声
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
退いてゆく前の波に腰を砕かれて泡立つ時、その音は、夥しい水泡の破裂音を束ねて一挙に膨らむ。盛り上がり、そのまま湾曲する海岸線にぶつかってくる。
高樹のぶ子 / その細き道(追い風) amazon
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