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入り込んだ町で、昼間でも人通りは少なく、魚の腹綿 や鼠の死骸は幾日も位置を動かなかった。両側の家々はなにか荒廃していた。自然力の風化して行くあとが見えた。紅殻 が古びてい、荒壁の塀 は崩れ、人びとはそのなかで古手拭のように無気力な生活をしているように思われた。
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......凝視っていた。起きている窓はなく、深夜の静けさは暈 となって街燈のぐるりに集まっていた。固い音が時どきするのは突き当っていく黄金虫 の音でもあるらしかった。 そこは入り込んだ町で、昼間でも人通りは少なく、魚の腹綿 や鼠の死骸は幾日も位置を動かなかった。両側の家々はなにか荒廃していた。自然力の風化して行くあとが見えた。紅殻 が古びてい、荒壁の塀 は崩れ、人びとはそのなかで古手拭のように無気力な生活をしているように思われた。喬の部屋はそんな通りの、卓子 で言うなら主人役の位置に窓を開いていた。 時どき柱時計の振子の音が戸の隙間から洩れてきこえて来た。遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて......
単語の意味
荒廃(こうはい)
鼠(ねずみ)
弁柄・紅殻(べんがら)
荒廃・・・役に立たないほどボロボロな状態にあること。
鼠・・・1.ネズミ科の哺乳動物の総称。人家の付近などに住む、敏捷な小動物。繁殖力が高く、食害や伝染病の原因となるため嫌われている。
2.鼠色(ねずみいろ)の略。
3.比喩として、こそこそと悪事を働く者、ひそかに害をなす者のたとえ。
2.鼠色(ねずみいろ)の略。
3.比喩として、こそこそと悪事を働く者、ひそかに害をなす者のたとえ。
弁柄・紅殻・・・1.黄土を焼いて作る赤い顔料。インドのベンガル地方で産出したのが名前の由来。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
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疲れる・疲労感の表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
重い疲れが彼に凭 りかかる。
梶井基次郎 / 冬の日
精神的にも肉体的にも、再び起つ勇気があるかないかすら解らない位疲れてしまっている。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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閑散・人気(ひとけ)がないの表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
マンションや飲食店が立ち並んでいる場所から、店の方へ歩いていくにしたがって、オフィスビルしかなくなっていく。 その、ゆっくりと世界が死んでいくような感覚が、心地いい。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
(車の少ない駐車場)車が減るたびに、まるで大海の小舟のように自分たちの車だけが残される。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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街や村の雰囲気・印象の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(町はいろいろな国の人が)雑居して、さながら人種の博品館のような感を呈していた。
井伏 鱒二 / ジョン万次郎漂流記 amazon
茨城県との県境の小さな山村
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
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だらだら暮らすの表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
世間のしきたりの中に首まで浸って無反省に暮らす
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
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(吐き気)気分はよくならなかった。胃やその他の器官がからだの裏側から足許まで下がり何か汚いものとともに再び喉元までせり上がってくるような、そんな感じだった。
村上 龍 / 恋はいつも未知なもの amazon
自分の体が、キルク(=コルク)が水に浮いているようで
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
鼻が石榴(ざくろ)のように赤く裂ける
真継 伸彦 / 鮫 amazon
栄子は昔の印象の通りの、どこか優雅な怠惰さをたたえていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
(水枕)耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。《…略…》頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。
向田 邦子 / 耳「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 amazon
「家・建物」カテゴリからランダム5
「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
わずかな仕送りのお金で貧乏しながら、歌のレッスンに通っていた
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
現実という奴は、前へ進んでいるかいないか分からないような長蛇の行列
斎藤 栄 / Nの悲劇 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
尋恵は身体を凍りつかせた。 人の気配を部屋の中に感じた。 まさか……そう思い、背中を撫でる空気の動きの正体を見極める。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
必ず笑って出てくるんだ。義務か聖職のように笑いながら。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
「密度・集団」カテゴリからランダム5
人影も一層濃くなって
岡本かの子 / 巴里祭
夜、十二時の浅草はしめったオブラートより寂しい。
サトウハチロー / 浅草悲歌
軍勢が雲霞のごとく、城をめがけて殺到する
柴田 錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
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