TOP > 人物表現 > 記憶 > 思い出・思い出に浸る
思い出・思い出に浸るの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「記憶」カテゴリからランダム5
(昔の男に電話をかける)いつかかけてしまうかもしれないと恐れ続けてきた電話を、八年たった今日かける。 最後の数字を押す。指先で過去に触れる。十和子の過去のすべてである男に触れる。呼び出し音が鳴っている。一回、二回……。鳴っている、黒崎の身体のすぐそばで。三回……、四回、……五回。胸が締めつけられる。今にも電話をつかもうとする黒崎の手が見える。指の長い滑らかな手。そのとき急に、十和子の腹の奥底から目の 眩むようなものが 迫り上がってくる。光が真っ白に弾けて、手のなかの電話機が生き物のようにうごめく。怖い。どうしてだろう、黒崎俊一が怖い!
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
頭のなかが何も映っていない灰色のテレビ画面のようになる。一瞬後に急にスイッチが入って場面が浮かび上がってくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(嫌な記憶)男は、いつも記憶の中で柔らかく彼女を包み込んだ。 しかし、時折、猫の腹に溜った毛玉のように胸やけを起させるものもあり、彼女は吐き出さなくてはならないほどだった。そういう時、彼女は、その男の隅々まで思い出し記憶の外に追いやるのだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
その名前にもはっきり聞き覚えがある。しかし記憶はなぜかひどく漠然としてとりとめがなかった。彼が手で探りとれるのは、事実らしきもののいくつかのあやふやな断片だけだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
事件の輪郭は徐々に崩れて来て、ぼんやりし、あいまいになり、風化し、解体した
三島由紀夫 / 真夏の死 amazon
同じカテゴリの表現一覧
記憶 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ