それを、兵部 の独 り語 のように、外の男は、そら耳にうけて、じっと、暗い川波を見つめていた
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:9% 作品を確認(青空文庫)
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聴く・耳を傾ける
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......の百本杭 あたりで、降ろして貰おう」 「まあ、そう申すな、炬燵 の火も、ちょうどよい加減、酒も温 まっておる。はいって、一献 やってはどうじゃ――河千鳥の声をさかなに」 それを、兵部 の独 り語 のように、外の男は、そら耳にうけて、じっと、暗い川波を見つめていたが、 「オッ、寒いっ」 と、思わず、くさめを一つして、小袖で口を抑 えた。 「風邪をひくぞよ、一角 」 「えッ?」 男は、そう言った兵部の声を、疑うように、 「俺を、一角と......
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聴く・耳を傾けるの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
耳だけ寄せた。目と赤ペンは原稿から離れない。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
半ば目を閉じるように鼓膜に集中している
小川 洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
(音楽を聴く)彼女は眉を寄せ、意識を集中し、その古い時代の音楽の中に何か音楽以外のものを聞き取ろうとしているみたいに見えた。あるいは目をこらして、その響きの中に何かの影を見出そうとしているようにも見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
直子はちょうど女学生が崇拝する教師の話でも聴くような様子で熱心に耳を傾けていた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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(修理から戻ってきたラジオ)つまみを回すと雑音の向こうから、野球中継が聞こえてきた。長い旅路の果て、ようやくたどり着いたような頼りなげな音だった
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
曲が終わると再びざわめきが起こったがそれはステージの外のもう一つの楽器のように自然なものだった。
村上 龍 / 恋はいつも未知なもの amazon
とっとっとっとっしずかに走るのでした。その足音は気もちよく野原の黒土の底の方までひびきました。
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
外部が騒々 しいだけに部屋の中はなおさらひっそりと思われた。
有島武郎 / 或る女
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