（ハワイのフリヘエ宮殿は）宮殿といってもそれは普通の大きな家という感じで華美な装飾はない建物なのだが、王族が好んで住んだだけのことはあるすばらしい風格があった。

間取りが旅館のように入り組んでいる屋敷

一族が立ち退いた跡地に小学校ができたほどの大豪邸だった。

大谷石 の塀を巡らせた大きな屋敷が目に留まった。表札に、《尾畑》と太字で記された昔風の 棟門 があり、そこから先は低い植え込みと繁茂した木立で覆われており、かなり奥に重厚な玄関が見えていた。

個人住宅とはとても思えないほどの豪邸

出来たてのアンパンが陳列の硝子をぼおっとくもらせている。

自宅は豪華と言えるものでもなかった。どちらかと言えば地味で、町内に埋もれてしまうタイプの一軒家だった。

照明のおかげで黄金色に輝くエッフェル塔

瓦礫 の山や弾痕だらけの壁

お爺さんが車をぶんぶんまわして、桃色の綿菓子をつくっていた。あるかなきかの桃色の泡が真鍮（しんちゅう）の桶（おけ）の中から湧（わ）いて出てくると、これが霧のような綿菓子になる。長い事草花を見ない私の眼には、まるでもう牡丹（ぼたん）のように写ります。