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火鉢の火は衰えはじめて、硝子 窓を潤 おしていた湯気はだんだん上から消えて来る。私はそのなかから魚のはららごに似た憂鬱な紋々があらわれて来るのを見る。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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風呂・入浴
水蒸気・湯気
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前後の文章を含んだ引用
......てそのなかのただ一つの起きている部屋である私の部屋。――天井に彼らのとまっている、死んだように凝 っととまっている私の部屋が、孤独な感情とともに私に帰って来る。 火鉢の火は衰えはじめて、硝子 窓を潤 おしていた湯気はだんだん上から消えて来る。私はそのなかから魚のはららごに似た憂鬱な紋々があらわれて来るのを見る。それは最初の冬、やはりこうして消えていった水蒸気がいつの間にかそんな紋々を作ってしまったのである。床の間の隅 には薄うく埃をかむった薬壜が何本も空 になっている。な......
単語の意味
憂鬱(ゆううつ)
憂鬱・・・気分が落ち込んだ状態。重苦しい気分。メランコリー。
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湯からあがって、縁の籐椅子にかけて、しばらくじっとしていた。快い湯のあたたまりと、倦怠があった。
松本 清張 / 青のある断層「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
しまい湯をつかっている二人の若い女は笑い声一つたてないでピチャピチャ湯音をたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
夕方の光と蛍光灯の光が小さく交差する湯気のなか
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
地下室のような風呂場
川崎 長太郎 / 伊豆の街道 amazon
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水蒸気・湯気の表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水蒸気のヴェール
岡本かの子 / 巴里祭
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(深い穴に落ちる)「あ」 闇が拡がり、めくるめく眩暈が流れた。体がまっすぐに落ちた。時間が空白になった。
阿刀田 高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
女の子連中が――それは三人だったが、改札口へ並ぶように男の児の前へ立った。
梶井基次郎 / 城のある町にて
汗で濡れた着物が凍ってブリキのようにかたくなる
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
橋の中央両端に位置する主塔から本体全体へと等間隔で張られているケーブルは、遠くからだと線のようにしか見えないものの、日光の下、間近で見るとその一本一本は直径十数センチの頑丈な鉄柱であることがよくわかる。
羽田 圭介 / 一丁目一番地「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
船の舳 のほうで氷をたたき破 るような寒い時鐘 の音
有島武郎 / 或る女
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