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僕は二十分ばかりそこで彼女と立ち話をしたが、彼女に対して好意を抱いてはいけないという理由はひとつとしてみつけることはできなかった。
村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
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......話し、給料の額や仕事の内容についての愚痴も言った。要するに我々はかなり親密になったわけだ。彼女はなかなか魅力的な女性だったし、押しつけがましいところもなかった。僕は二十分ばかりそこで彼女と立ち話をしたが、彼女に対して好意を抱いてはいけないという理由はひとつとしてみつけることはできなかった。 パーティーが終りかけた頃、僕は彼女を誘って同じホテル内のカクテル・ラウンジに移り、そこに腰を据えて話のつづきをすることにした。ラウンジの大きな窓からは初秋の雨......
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