青春の日々のことが、鼻の奥に淡い発揮性の匂いを残してかすめ去って行く

ずっと昔に通り過ぎてきた、童話のように楽しい時代

青年になり、青春の血が動く

たまゆらの青春を、苦しみや悩みを蹴とばしながら、大らかな生きぬく

今思うと、あの頃はあまりにもいろいろなことがありすぎて、時間がどんどん過ぎてゆくような感じがした。それなのに、全然せわしない感じはしなかった。あの頃知り合った人々や一緒に過ごした人々、行った場所、なにもかもが濃密で、もしかしたらあれこそが遅くやってきた（弟にはとても早くやってきた）、青春というものなのかもしれない、とすら思う。

きっちりと肉のしまった、青年らしい肩つき

秋の花のような娘

多感なお年頃

（赤んぼは）火にあぶったスルメのように、ふんぞり返ってしまって

小娘の肩から胴、脇（わき）、腰へかけて、若やいだ円味と潤いと生々しさが陽炎（かげろう）のように立騰（たちのぼ）り、立騰っては逸作へ向けてときめき縺（もつ）れる