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船員は右手を延べて居留地の鼻を指さした。がっしりした肩をゆすって、勢いよく水平に延ばしたその腕からは、強くはげしく海上に生きる男の力がほとばしった。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:37% 作品を確認(青空文庫)
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船乗り・水兵
逞しい、引き締まった腕
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前後の文章を含んだ引用
......てアダムを見たイヴのように葉子はまじまじと珍しくもないはずの一人 の男を見やった。 「ずいぶん長い旅ですが、何、もうこれだけ日本が遠くなりましたんだ」 といってその船員は右手を延べて居留地の鼻を指さした。がっしりした肩をゆすって、勢いよく水平に延ばしたその腕からは、強くはげしく海上に生きる男の力がほとばしった。葉子は黙ったまま軽くうなずいた、胸の下の所に不思議な肉体的な衝動をかすかに感じながら。 「お一人 ですな」 塩がれた強い声がまたこう響いた。葉子はまた黙ったまま軽く......
単語の意味
迸る(ほとばしる)
右手(みぎて)
迸る・・・(液体が)勢いよく吹き出る。飛び散る。強く流れ出る。
右手・・・1.右の手。 ⇔ 左手(ひだりて)。
2.右の方向。右側。
2.右の方向。右側。
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「将軍」のような恰好 をした船長
小林多喜二 / 蟹工船
船乗りは意気で勇ましくていいものだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
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(力こぶ)体をこすっているその右腕がしきりに私の顔にあたる。赤く上気したその肉塊は湯とシャボンで細長い風船のように光りはじめた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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(数学教師)彼は数学の問題の解き方を実際的に有効に教授するのと同時に、その設問の中に秘められているロマンスを華やかに開示した。天吾は教室を見まわし、十七歳か十八歳の少女たちの何人かが、敬意をこめた目で自分をじっと見ていることを知った。彼は自分が数学というチャンネルを通して、彼女たちを誘惑していることを知った。彼の弁舌は一種の知的な前戯だった。関数が背中を撫で、定理が温かい息を耳に吐きかける。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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