TOP > 暮らしの表現 > 人間関係・地位 > 出会いと別れ
TOP > 人物表現 > 記憶 > フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
(暮らした街に)もう二度と訪れることがないと思うと、それらの場面はすべてがまるで古い映画のように意味のある映像として、胸の奥底に響いてきた。目に映るすべての生き物が 愛 おしい。いつか私が死んで魂だけがある夏の夜に帰って来るとしたら、きっと世界はそういう感じに映るのだろう。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
出会いと別れ
フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......に並ぶタクシーの色とりどりの行列が、人を乗せては羽ばたくように駅を離れて行く。この町、少し古びていて少し整然としている建物や、広い道路にふちどられている場所。 もう二度と訪れることがないと思うと、それらの場面はすべてがまるで古い映画のように意味のある映像として、胸の奥底に響いてきた。目に映るすべての生き物が愛おしい。いつか私が死んで魂だけがある夏の夜に帰って来るとしたら、きっと世界はそういう感じに映るのだろう。 そこに敦子がやって来る。 真夏の駅前に、てくてくと歩いて。その髪型はばばあくさいからよせって言ってるのに、きっちりと髪の毛をひっつめて後ろでゆわえている。細い......
単語の意味
胸(むね)
ここに意味を表示
出会いと別れの表現・描写・類語(人間関係・地位のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(人と別れて)闇の中を遠ざかってゆく船をひとり見送っているようだ。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
町の入口で男に別れると、体中を冷たい風が吹き荒れるような気がした。
林芙美子 / 新版 放浪記
女房や子供から生木裂くみたいに引き離されて兵隊に駆り出されていった
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
あの頃の苦しい記憶がちょっと気分を 掠めて通った
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
ここしばらくあったことが、思い出したのではなくものすごいスピードで空気として私のまわりに押し寄せてきた。それはみんな弟といた空間の持つ独特の光に満ちていて、風景や出来事の思い出より何万倍も切実にそのすべてを 蘇らせた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
幼年時代の思い出が、この部屋に坐っていると、伸子の心に次々に甦って来た。
宮本百合子 / 伸子
これまでの出来事が突風のように頭の中に吹き荒れる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
このカテゴリを全部見る
「人間関係・地位」カテゴリからランダム5
天と地との間で広い畑の真ン中に二人が話をしているのである。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
交差点で別れた。私を降ろすと、じゃあね、と言ってすーっと行ってしまった。あまり静かな別れだったので気が抜けて、振り向きもせずに路地を入ろうとしたら、クラクションの音がした。 振り向くとUターンして通りの反対側の信号のところで、窓を開けて萃が笑って手を振っていた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
ウンと働かせて、締木 にかけて、ギイギイ搾り上げて
小林多喜二 / 蟹工船
「記憶」カテゴリからランダム5
(記憶喪失)生まれ変わったようなまなざしでまだよくわからない、なじみのないこの世界にひとり立ったとき、何もかもが不確かで手探りの状態の不安な新しい私
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
及川隆一はちらと、志津子が、先日教えた彼女の家を頭に描いた。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
飛行機ががくん、と揺れてはっと目覚めたとき、突如、 「栄子」 が飛び込んで来た。その匂い、画面、感触、すべての情報が私になだれ込んで来た。 私はどぎまぎして、いても立ってもいられなくなり、頭がくらくらした。飛行機はすぐにもとの平和な飛行に戻ったが、私の心臓のどきどきはおさまらなかった。 さっき飛び込んで来た栄子の目、髪、後ろ姿、声、断片として、総体として。そしてつぎつぎと飛び込んでくる二人の思い出。生々しく、鋭く残っていた。じっとしていられなくなって、意味もなくトイレに立った。 銀色の個室で、息を整えた。 「シャイニング」の原作にこういうシーンがあった。主人公の少年が助けを求めて思念を飛ばすのだ。呼んだのか? と思った。栄子の身に何かあったのだろうか? そうしているうちにやがて、ショックがおさまってきた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
過去が華々しいロマンスのいくつかで飾られる
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
同じカテゴリの表現一覧
人間関係・地位 の表現の一覧
記憶 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ