(水族館の)マンボウは白く、ゆっくりと泳いでいた。前と少しも変わらず、ただ静かに、行ったり来たりしていた。でも心なしかあの頃よりくつろいで、優しく見えた。眼も、楽しそうに見えた。 私の方が変わったのだ。 孤独と不安を通して見ていた。 でも今は違う、季節も冬ではない。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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景色が違って見える
水族館
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......も驚くほど長い時間、マンボウをぼんやり見ていた。 だから懐かしかった。 こんなに暖かい空の下、竜一郎と一緒にここに来る日があるとは、あの頃思ってもみなかった。 マンボウは白く、ゆっくりと泳いでいた。前と少しも変わらず、ただ静かに、行ったり来たりしていた。でも心なしかあの頃よりくつろいで、優しく見えた。眼も、楽しそうに見えた。 私の方が変わったのだ。 孤独と不安を通して見ていた。 でも今は違う、季節も冬ではない。「まぬけな生き物だねー。」 竜一郎が言った。「見飽きないね。」「そうでしょ?」 私は言い、よくここに来ていたことを話した。「復活の秘訣だったんだね。」 と彼は言......
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