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彼女は時刻表に特別な興味をもっていました。その随筆をある雑誌に発表したくらいです。随筆は詩情に溢れ、余人には無味乾燥に見えるあの横組の数字が、いかなる小説よりもおもしろいらしいのです。数字の行間からは、蜿蜒と尽きぬ旅情の詩が湧き、随想が生まれるらしいのです。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:89% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......とが、どのような手段で死にいたったか、これも、ちょっと後まわしにして、その時間のことからはいりましょう。 私の頭には、まざまざと一人の女が記憶に浮かんできます。彼女は時刻表に特別な興味をもっていました。その随筆をある雑誌に発表したくらいです。随筆は詩情に溢れ、余人には無味乾燥に見えるあの横組の数字が、いかなる小説よりもおもしろいらしいのです。数字の行間からは、蜿蜒と尽きぬ旅情の詩が湧き、随想が生まれるらしいのです。彼女は長いこと肺結核で臥せており、病床でたのしむ時刻表は、彼女にとって聖書のように無限の人生伴侶であり、古今の名作をよむように退屈しないのでした。彼女というのは......
単語の意味
蜿蜒・蜒蜒・蜿蜿(えんえん)
蜿蜒・蜒蜒・蜿蜿・・・ヘビのように長くうねうねと続くさま。
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時刻表の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
数字の充満した時刻表
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
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随筆・エッセーの表現・描写・類語(趣味・娯楽のカテゴリ)の一覧 ランダム5
お友だちに話すように紙の上に書いたのが、〈巴里の空の下オムレツのにおいは流れる〉であった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
彼は木谷のことをたびたび考えた。そしてしらずしらずのうちに、この兵隊のことを考えるというようになっていた。事務室の准尉の近くで机に向って鉄筆を動かしているときでも、頭のなかに動くものがあって、その動きをたどってみると、その糸のさきに木谷の顔があるのにぶつかった。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
手の内のカードを全部さらすのは牛河のやり方ではない。小さな数の札はちらりと見せてもいい。しかし大きな数のカードはしっかり伏せておく。そして何ごとにも保険というものが必要になる。
村上 春樹 / 1q84「1Q84 BOOK 3」に収録 amazon
例えば、キャラメルを思い浮かべると、口の中に甘い匂いが満ちてくるのと同じだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
しっちゃかめっちゃかでお祭り騒ぎくらいの方が、生きている実感がわく。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
「趣味・娯楽」カテゴリからランダム5
ノートには、きっと日々抱いている想いのかけらが詰まっている
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
テレビの連続ドラマを何回分かまとめて見たようなだるい印象を残す映画
池澤 夏樹 / シネ・シティー鳥瞰図 amazon
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ガラスの破片が枯れ葉のように散り溜まる
河野 多恵子 / 夢の城 amazon
裸体像で、周囲が白紙になっているために空間に浮いているように見える。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
煙を吸ったのは二口か三口で、あとは全部彼女の指の間でただ灰になってぽろぽろと芝生の上に落ちた。それは僕に時間の死骸のようなものを想起させた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
新しいゴワゴワした木綿の着物
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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