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奇麗なうちから急に汚ない所へ移ったので、何だか日当りの善い山の上から薄黒い洞窟どうくつの中へはいり込んだような心持ちがする。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:25% 作品を確認(青空文庫)
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室内の雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......中心に眼と口を引き集めたようなかおをして付いて行く。吾輩は例の忍び足で再び勝手から往来へ出て、急いで主人の家に帰る。探険はまず十二分の成績せいせきである。  帰って見ると、奇麗なうちから急に汚ない所へ移ったので、何だか日当りの善い山の上から薄黒い洞窟どうくつの中へはいり込んだような心持ちがする。探険中は、ほかの事に気を奪われて部屋の装飾、ふすま障子しょうじの具合などには眼も留らなかったが、わが住居すまいの下等なるを感ずると同時にのいわゆる月並つきなみが恋しくなる。教師よりも......
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