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真由は夢のようにゆっくりとステージを見上げた。 今まで彼女が出たどの映画よりも上手な角度で。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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ゆっくり・緩慢・スピードが遅い
見上げる・空を見る
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......。「その心配性は母ゆずりなのね。」 私が言い、真由が下を向いたまま、「最近、お母さん元気?」 と言った。激しい拍手と、歓声。「あ、はじまるはじまる。」 その時、真由は夢のようにゆっくりとステージを見上げた。 今まで彼女が出たどの映画よりも上手な角度で。 横顔だけが、太陽の光を浴びる月のように青白く輝いて、闇に浮かび上がっていた。瞳は夢見るように見開かれ、おくれ毛は銀色にふるえ、尖った小さな耳はすべての音を聞き......
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ゆっくり・緩慢・スピードが遅いの表現・描写・類語(時間・スピードのカテゴリ)の一覧 ランダム5
弟はそれを、高価な宝石を扱うようにそろそろと口に運ぶ。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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見上げる・空を見るの表現・描写・類語(見るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
高い暗い建物の下を通るときは、青年はやや立ち止って一々敵対するように見上げた。
岡本かの子 / 母子叙情
空の雲行を眺め
岡本かの子 / 巴里の唄うたい
笠のつばを上げて
吉川英治 / 無宿人国記
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「時間・スピード」カテゴリからランダム5
祖父江の意識は未だ戻らず、ただでさえ落ち着かなかったが、日常はその不慮の出来事をも、蛇のような大口で飲み込んで、ゆっくりと消化しつつあった。その重たさが、時間の流れを停滞させ、蒔野の胸を圧迫していた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
電気より早く
小林多喜二 / 蟹工船
貸ビルが建っていて、屋上には電気冷蔵庫の巨大な広告パネルが取り付けられていた。エプロンをつけた30歳ばかりのいかにも貧血症といった感じの女が前かがみになって、それでも楽しそうにドアを開けているおかげで、僕は冷蔵庫の中身をのぞき見ることができた。 フリーザーには氷と1リットル入りのバニラ・アイスクリーム、冷凍海老のパック、二段めには卵のケースとバターにカマンベール・チーズ、ボーンレス・ハム、三段めには魚と鶏のもも肉、一番下のプラスチック・ケースにはトマト、キュウリ、アスパラガス、レタスにグレープフルーツ、ドアにはコカ・コーラとビールの大瓶が3本ずつ、それに牛乳のパックが入っていた。 僕は彼女を待つ間、ハンドルにもたれかかったまま冷蔵庫の中身を平らげる順番をずっと考えてみたが、何れにせよ1リットルのアイスクリームはいかにも多すぎたし、ドレッシングの無いのは致命的だった。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
時代にささやかな杭を立てる
林 京子 / やすらかに今はねむり給え;道 amazon
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穴のあく程見詰めて
夢野久作 / あやかしの鼓
定規のようなしっかりした目を向ける
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
清彦の顔を刺し通すように見つめながら
曽野 綾子 / たまゆら amazon
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