（出版社のパーティー）会場は広く、大きなテーブルのうえの銀の食器には色とりどりの料理が並び、カトレアをかたどったいくつもの小さなシャンデリアが照らす下で、たくさんの人々が談笑していた。

（パーティー）社交界

（パーティー会場の女）華奢 だが色つやが良く、はじけそうな肌をしていた。きゅっと締まったふくらはぎに黒いハイヒール、肩の大きく開いたドレスにあどけない顔。不思議に明るい色気があった。

グラスのぶつかる音、シェイクする音、マッチをする音、ライターの音、客たちのおしゃべり、笑い声、そろそろ引上げる女たちの挨拶、ムード・ミュージックのすかした響き、などがまじりあって作るざわめきのなかで

祭りの終りを惜しむかのように、熱気が部屋中に漲る

高速道路が壊滅的な渋滞状態に陥って、足止めを食らっている。

今日は縁日で夕方から賑やか

地球の一部がどかんと凹んだような戦車壕

雨で黒く濡れた門柱は荒野に立った２本の墓石のように見える。

私は離婚はしたくない、そうも思った。離婚はいろんな意味で悲しすぎる。まだ咲いてない花のつぼみを茎からばしっと折ってしまったみたいだ。なじんだ毛布をごみ袋に入れてごみ捨て場にぽいっと捨ててくる帰り道みたいだ。切れようがないものをぶちっと切った残骸が風でひらひらしているみたいだ。