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生まれて初めて、房枝は時間を呪った。《…略…》これまでの自分の人生で、時間が足りないということはあっても、祐一からの連絡を待つだけのこの数日間のように、時間というものが、こんなにも恨めしいほど長いものだと感じたことはなかった。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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時間を長く感じる・一瞬が長い
待つ
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前後の文章を含んだ引用
......ないのに、「逃げて! 一緒に逃げて!」と叫んでいた。幸せになれるわけがないのに、「一緒におって! 私だけ置いてかんで!」と叫んでいた。最終章 私が出会った悪人 生まれて初めて、房枝は時間を呪った。祐一からの連絡が途絶えてすでに六日目、気がつけば、世間では大晦日を迎えている。 房枝は長崎市郊外の畳職人の三女として生まれた。十歳のときに、出征間際だった父親が......<中略>......められたが、それでも日に日に生活は楽になり、気がつけば、幼い二人の娘らと、年に一度の温泉旅行を楽しめるまでになっていた。 結婚しても房枝は魚市での仕事を続けた。これまでの自分の人生で、時間が足りないということはあっても、祐一からの連絡を待つだけのこの数日間のように、時間というものが、こんなにも恨めしいほど長いものだと感じたことはなかった。 大晦日、いつもならおせち料理を作ったり、しめ縄や飾り餅の準備で、忙しなく動いているのだが、今年、房枝は誰もいない家の中で、一人、台所の椅子に座っている。 午前......
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時間を長く感じる・一瞬が長いの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
時計の針がとまったように一向に夜が更けぬ。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
午前中が一日の永さであった。
宮本百合子 / 伸子
ほとんどまばたきするほどの時間だったが、停止したフィルムの場面の中にいるような気がする
灰谷 健次郎 / 太陽の子 amazon
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待つの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(座って待つ)床はぴかぴかに磨き上げられてた。僕は待っているあいだずっとその床にうつった自分の靴を眺めていた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
とにかく待つしかない麦の芽のように、なんの感情もなく、ただ待ちつづけた
安部 公房 / 他人の顔 amazon
何かを待っている時はたいてい、微かな恐れと不安で胸がきしむ。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
頬がこけるほど待ち続けて
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(待ちくたびれる)帰りの遅い夫を待ちくたびれて、食卓にうつ伏したまま 転た寝 をした
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
自分の肺臓と心臓が、どこかわからぬ遠い処から、大浪を打たせて責めかかって来る音に耳を澄ましつつ……ワナワナブルブルと戦きふるえていた。 けれども……その心臓と肺臓がイクラ騒ぎ立てて、喘 ぎまわって
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「時間・スピード」カテゴリからランダム5
時間は透明な川のように、あるがままに流れている。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
「退屈」カテゴリからランダム5
喉の奥まで見えるような、大きなあくび
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
ふがふがと空気の抜けたゴム毬(まり)をつぶすみたいな声
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
鉛のように重苦しい集計時間が過ぎていく。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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