口びるは上下ともからからになって内紫 という柑類 の実をむいて天日 に干したようにかわいていた。
※備考※ 乾いた唇
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:77% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......にも見えた。その様子はたとえば葉子を見入っている時でも、葉子を貫いて葉子の後ろの方 はるかの所にある或 る者を見きわめようとあらん限りの力を尽くしているようだった。口びるは上下ともからからになって内紫 という柑類 の実をむいて天日 に干したようにかわいていた。それは見るもいたいたしかった。その口びるの中から高熱のために一種の臭気が呼吸のたびごとに吐き出される、その臭気が口びるの著しいゆがめかたのために、目に見えるよう......
単語の意味
天日(てんじつ)(てんじつ)
天日(てんぴ)(てんぴ)
天日(てんじつ)・・・太陽。「てんぴ」と読めば、太陽の光、またはその熱の意味。
天日(てんぴ)・・・大陽の光。または、太陽の熱。
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