(思ったことを素直に表現する)言葉は色鉛筆に似ている、と私は思った。今までは、太陽を塗るときは赤色、海を塗るときは青色の色鉛筆を、なんとなく大きな力に従って取り出していた。けれど、太陽を真っ青に、海を真緑に、好きな色鉛筆を取り出して塗りあげていってよかったのだ。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
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......ていた。 私は自分の脳の中から、この光景を表現する言葉を探していた。不気味、下劣、化け物、いびつ、どの言葉も、今までは取り出すことが許されなかった言葉だった。 言葉は色鉛筆に似ている、と私は思った。今までは、太陽を塗るときは赤色、海を塗るときは青色の色鉛筆を、なんとなく大きな力に従って取り出していた。けれど、太陽を真っ青に、海を真緑に、好きな色鉛筆を取り出して塗りあげていってよかったのだ。そんな当然のことを、信子ちゃんはとっくに知っていたのかもしれなかった。 窓の外には、巨大な骨の街が広がっている。 この真っ白な骨の街は、大きな墓場だった。私の大......
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(思ったことを素直に表現する)言葉は色鉛筆に似ている、と私は思った。今までは、太陽を塗るときは赤色、海を塗るときは青色の色鉛筆を、なんとなく大きな力に従って取り出していた。けれど、太陽を真っ青に、海を真緑に、好きな色鉛筆を取り出して塗りあげていってよかったのだ。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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