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散歩は一年中楽しめるものであるが、特に春先がいい。ポカポカ陽気の中を、何の目的もなくブラブラ歩くのは楽しい。《…略…》秋の枯れ葉を踏んでの散歩もわるくはないが、春先の散歩とは少し趣を異にする。 散歩はやはり春先がいちばん。 よその家の庭先の、ようやく咲き始めた梅や桃の枝ぶりを見あげながら、ブラブラ歩いて行くのは楽しい。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 ページ位置:84% 作品を確認(amazon)
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晩冬・春先
ふらふらした歩き方
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前後の文章を含んだ引用
......殊な技術もいらない。 それほどの技術はいらないが、強いていえば、右足と左足をいっぺんにではなく、交互に繰り出していくというのがコツといえばいえるかもしれない。 散歩は一年中楽しめるものであるが、特に春先がいい。ポカポカ陽気の中を、何の目的もなくブラブラ歩くのは楽しい。 厳寒の冬、目も開けられないような、横なぐりの猛吹雪の中の散歩は楽しくない。 一歩間違うと、「八甲田山死の行軍」となって行き倒れになる恐れもある。 真夏の散歩も汗だくになる。 秋の枯れ葉を踏んでの散歩もわるくはないが、春先の散歩とは少し趣を異にする。 散歩はやはり春先がいちばん。 よその家の庭先の、ようやく咲き始めた梅や桃の枝ぶりを見あげながら、ブラブラ歩いて行くのは楽しい。 ただしこの場合は、歩行速度と電柱に気をつけたい。 枝ぶりを見あげながら、足早に歩いて行って電柱に激突、転倒、意識不明、救急車出動、三日後その電柱の根元に花束と......
単語の意味
趣(おもむき)
異(い)
春先(はるさき)
陽気(ようき)
趣・・・しっとりと落ち着いて、心惹かれる特徴や雰囲気。そのものがもっている、自然とかもし出される(いい)雰囲気。ずいぶん昔のものなのに、手入れがされているさま。風情(ふぜい)。
春先・・・春の初めごろ。早春。春前(しゅんぜん)。
陽気・・・1.天候。時候。
2.万物が動き、生まれ出ようとする気。陽の気。
2.万物が動き、生まれ出ようとする気。陽の気。
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晩冬・春先の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
春がもう豹のような忍び足で訪れていはしたものの
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
春が間近で、高い山脈は寒い色をしていたが、近くの低地の林に薄い緑が乗った。風はまだ冷たかった。
松本 清張 / 青のある断層「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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ふらふらした歩き方の表現・描写・類語(歩く・歩き方のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水中を泳ぐように上体をふらつかせながらやって来る
中村 真一郎 / 夜半楽 (1959年) amazon
抜け殼みたよにふらふらと歩いていた
宇野 千代 / おはん amazon
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「春」カテゴリからランダム5
私の仕事初日を祝うかのように桜の花が咲き
野崎 幸助「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)」に収録 amazon
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ねっとりとした春である。わずかにしめっている女の脇の下を思わせる春である。
サトウハチロー / 浅草悲歌
野外は、真冬の匂いがした。 冷たい空気に混じって、これからやってくる本当の寒さの予感が、体の中に伝わってくる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
霧をはらんだ冬の夜ふけの冷たい空気が硬い粉のように瞼や頬に痛かった
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
氷柱の簾が檐(のき)に下っており、銀の大蛇のように朝の光線に輝いている
徳田 秋声 / 縮図 amazon
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サユリの靴の踵は肝心な時には聞きわけのよい子のようになり、沈黙していた。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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