水平線に浮かぶ大きな雲は、そこに船を浮かべて竿を伸ばしたら届きそうなほど

雲が雷を含んで暗澹としたその縁だけを金色に輝かせている

青空に白い雲がうかんでいた。馬が何頭も何頭も後先になりながら走っていくような形をしていた。

空には刷毛でひいたような白い雲が幾筋か流れ

海の反射で琺瑯（ホーロー）質のように固くつややかに見える雲

朝の健康な青空

雲ひとつなく晴れた南西の空に、月がくっきりと浮かんでいる。

（霧は）琥珀色の光沢となり、冬の午後の小さな太陽がその奥に融けるように輝いていた。

するどく傾（かし）いだ焔のような月の面

杉山の上から青空の透いて見えるほど淡い雲が絶えず湧いて来るのを見たとき、不知不識（しらずしらず）そのなかへ吸い込まれて行った。湧き出て来る雲は見る見る日に輝いた巨大な姿を空のなかへ拡げるのであった。 　それは一方からの尽きない生成とともにゆっくり旋回していた。また一方では捲きあがって行った縁（へり）が絶えず青空のなかへ消え込むのだった。こうした雲の変化ほど見る人の心に言い知れぬ深い感情を喚（よ）び起こすものはない。