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秋はいつも嫌な季節だった。夏のあいだに休暇で街に帰っていた数少ない彼の友人たちは、九月の到来を待たずに短かい別れの言葉を残し、遠く離れた彼ら自身の場所に戻っていった。そして夏の光があたかも目に見えぬ分水嶺を越えるかのようにその色あいを微かに変える頃、鼠のまわりを僅かな期間ではあるがオーラの如く包んでいたある輝きも消えた。そして暖かい夢の名残りも、まるで細い川筋のように秋の砂地の底に跡かたもなく吸い込まれていった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:20% 作品を確認(amazon)
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晩夏・夏の終わり 孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
......とながら、秋から冬にかけての冷ややかな季節を、大学を放り出されたこの金持ちの青年と孤独な中国人のバーテンは、まるで年老いた夫婦のように肩を寄せ合って過ごした。 秋はいつも嫌な季節だった。夏のあいだに休暇で街に帰っていた数少ない彼の友人たちは、九月の到来を待たずに短かい別れの言葉を残し、遠く離れた彼ら自身の場所に戻っていった。そして夏の光があたかも目に見えぬ分水嶺を越えるかのようにその色あいを微かに変える頃、鼠のまわりを僅かな期間ではあるがオーラの如く包んでいたある輝きも消えた。そして暖かい夢の名残りも、まるで細い川筋のように秋の砂地の底に跡かたもなく吸い込まれていった。 一方ジェイにとっても、秋は決して喜ばしい季節ではなかった。九月も半ばという頃になると、店の客は目に見えて減っていたからだ。例年のことではあったが、その秋の凋落......
単語の意味
分水嶺(ぶんすいれい)
鼠(ねずみ)
分水嶺・・・降った雨水が、それぞれ異なる川に流れていく原因となる、境界線になる山の尾根。
・・・1.ネズミ科の哺乳動物の総称。人家の付近などに住む、敏捷な小動物。繁殖力が高く、食害や伝染病の原因となるため嫌われている。
2.鼠色(ねずみいろ)の略。
3.比喩として、こそこそと悪事を働く者、ひそかに害をなす者のたとえ。
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夏が終りかけようとし、森林に降っていた蟬の声が衰えていた。稲田は色づいていた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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この夏を 悼む気持ち。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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