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その後、私の心に起こった微妙な選択の波、幾千もの思いに満ちた決断の断層をうまく表現できるだろうか。いけない、今止めればごまかせるというこころと、この本といい、あんなに沢山ある私のテープの中から、偶然にもたった一本しかないそれをわざわざ選び出したことといい、彼の心の奥底に潜む嘆きがそんなに叫ぶのなら、聴かせてやるべきなのかもしれない、というこころがひらめきのように 錯綜 した。  千々に乱れる親切と意地悪、それよりももっと深い親切と意地悪、メロドラマとノンフィクション、いろんなものが混じり合って動きがたくなり、ロマンチックにもなんと、聴かせてあげる方へ傾いた。  あるカップルの 終焉 を天上から見守るマリア様のような切ない決断だった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
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心の葛藤 心が揺れる・気持ちが揺らぐ 決心・決断・覚悟する
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前後の文章を含んだ引用
......テープはどんどん進み、私の、声にならない声はどんどん大きく疑問をふくらませていった。なぜだろう? なぜ見つけた? 私でさえこれがあったことすら忘れていたのに。 その後、私の心に起こった微妙な選択の波、幾千もの思いに満ちた決断の断層をうまく表現できるだろうか。いけない、今止めればごまかせるというこころと、この本といい、あんなに沢山ある私のテープの中から、偶然にもたった一本しかないそれをわざわざ選び出したことといい、彼の心の奥底に潜む嘆きがそんなに叫ぶのなら、聴かせてやるべきなのかもしれない、というこころがひらめきのように錯綜した。 千々に乱れる親切と意地悪、それよりももっと深い親切と意地悪、メロドラマとノンフィクション、いろんなものが混じり合って動きがたくなり、ロマンチックにもなんと、聴かせてあげる方へ傾いた。 あるカップルの終焉を天上から見守るマリア様のような切ない決断だった。 そのテープは、聴きはじめてしばらくするとざわめきの中に、知っている声がふいに入ってくる。「お姉ちゃん、これどうすると録音になるの? これでいい?」 真由だった......
単語の意味
切ない(せつない)
錯綜(さくそう)
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
嘆く・慟く・歎く(なげく)
切ない・・・悲しさや寂しさや恋しさで、胸がしめつけられる気持ちのこと。やりきれない思い。やるせない思い。
錯綜・・・いくつもの物事が分かりにくく絡まりあっていること。物事の関係が複雑で混乱すること。
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
嘆く・慟く・歎く・・・1.悲しみやの怒りの気持ちを強くあらわす。ひどく悲しむ。悲しんで泣く。
2.満たされない思いにため息をつく。嘆息(たんそく)する。
3.世の風潮などに心を痛めて憤る。慨嘆(がいたん)する。
4.心から切に願う。願う。強く望む。躍起(やっき)になる。
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心の葛藤の表現・描写・類語(気分が晴れない・落ち込むのカテゴリ)の一覧 ランダム5
内面に吹き荒れたであろう葛藤の嵐
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
臓腑を抉られるような葛藤
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
食事も喉を通らないような葛藤を彼は続けていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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心が揺れる・気持ちが揺らぐの表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
風にゆれる草穂くさぼのような気もち
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
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決心・決断・覚悟するの表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
心の中に大胆な決心が稲妻のように閃き渡る
芥川 龍之介 / 地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 amazon
捨て身になった人間独特のものに動じないふてぶてしさ
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
強い意志を秘めるかのように結ばれた唇
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
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心で感じる 気分が晴れないの表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
君のは妙にしんと底冷えがしたようにとげとげしく澄み切って、君の目に映る外界の姿は突然全く表情を失ってしまって、固い、冷たい、無慈悲な物の積み重なりに過ぎなかった。無際限なただ一つの荒廃――その中に君だけが呼吸を続けている、それがたまらぬほどさびしく恐ろしい事に思いなされる荒廃が君の上下四方に広がっている。波の音も星のまたたきも、夢の中の出来事のように、君の知覚の遠い遠い末梢まっしょうに、感ぜられるともなく感ぜられるばかりだった。すべての現象がてんでんばらばらに互いの連絡なく散らばってしまった。その中で君のだけが張りつめて死のほうへとじりじり深まって行こうとした。重錘おもりをかけて深い井戸に投げ込まれた灯明のように、深みに行くほど、君のは光を増しながら、感じを強めながら、最後には死というその冷たい水の表面に消えてしまおうとしているのだ。  君の頭がしびれて行くのか、世界がしびれて行くのか、ほんとうにわからなかった。恐ろしい境界に臨んでいるのだと幾度も自分をいましめながら、君は平気な気持ちでとてつもないのんきな事を考えたりしていた。そして君は夜のふけて行くのも、寒さの募るのも忘れてしまって、そろそろと山鼻のほうへ歩いて行った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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「乱」の言葉を含む乱心の表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
手当り次第に暴を働く
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
これを飲めば、女は鎖が解けたみたいにれるさ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
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「判断」カテゴリからランダム5
英雄的に見えるこの決心
有島武郎 / 或る女
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湯あたりにも似た倦怠感。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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