港の方から遠く尾を引く汽笛が聞こえた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:86% 作品を確認(amazon)
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汽笛
遠くの音
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前後の文章を含んだ引用
......ソファにすわって、黒崎に膝枕をしているような夢見心地になる。肩に暖かい陽射しを受けながらこうしていつまでも頭を抱いていたことがあった。音楽が流れていた。ときどき港の方から遠く尾を引く汽笛が聞こえた。髪を撫でながら他愛ない話をしているうちに黒崎は眠ってしまい、十和子は息を殺してその顔を眺め続けた。ただそれだけのことなのに、今思い返すと、膝に頭をのせた男が眠っ......
単語の意味
汽笛(きてき)
汽笛・・・機関車や蒸気船などの、蒸気を吹き込んで音を出す笛。
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雷とも思われる叫喚が船を震わして響き渡っていた。
有島武郎 / 或る女
汽笛が、間を置いてヒュウ、ヒュウと聞えた。
小林多喜二 / 蟹工船
あくびでもするかのように間の抜けた汽笛をば太く鈍く響かせるばかり
永井荷風 / ふらんす物語 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
馬が水を飲む音と、遠くから聞こえるポンポン船の音が、蒸暑い店の中で混じりあっている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
電話のベルが十二回鳴ったが、僕は受話器をとらなかった。ベルが鳴りやんだあとも、その余韻は部屋の淡い夕闇の中にちりのように漂っていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
電話の向こうで車のクラクションが続けざまに鳴るのが聞こえた。運転手は何かに対してかなり腹を立てているようだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
舟は静かに水の上を 滑った。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
あれは起重機ね、荷物が空へ上って行ったろう。
林芙美子 / 新版 放浪記
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