(傷をいやす不思議な力)母が死んでいくのがわかって、こわくてこわくて、必死で傷口に手を当てて、止血しようとしたのね。そのときに、自分は治す力がある、って知った。映画や漫画みたいに血が止まったり、傷口が消えたりはしなかったけれど、確かに、手が光った感じがして、手ごたえがあった。血の流れる量が少なくなっていくという感じが。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:51% 作品を確認(amazon)
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......ももと腕を刺して、逃げちゃったの。私は父の会社に電話して、父が救急車を手配するから待ってろって言って、それから救急車がくるまでの時間、死にゆく母のそばにいたの。母が死んでいくのがわかって、こわくてこわくて、必死で傷口に手を当てて、止血しようとしたのね。そのときに、自分は治す力がある、って知った。映画や漫画みたいに血が止まったり、傷口が消えたりはしなかったけれど、確かに、手が光った感じがして、手ごたえがあった。血の流れる量が少なくなっていくという感じが。すぐに車が来て、血だらけの私と母は両方病院に運ばれた。私はこわくて口もきけなくて、こわばったままでいた。父が駆けつけて、警察が来て、でも何も話せなかった。医者が......
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吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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