父が病身で、入院退院をくりかえしていて、二日も会いにゆかないと、ふざけ半分、皮肉半分、「どこか、ご旅行でしたか」という。四日もゆかないと「パリへお出かけでしたか」といった。一週間、会わないと、もうすねて「あなたはどなたです」という始末であった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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患者・病人・けが人
皮肉・嫌み
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......らあまり働かずにすんだ。 トリなべは、最後にきしめんやおもちを入れておいしくいただいた。何だかお正月のような気分だった。◆ 父とニューオルリンズと このところ、父が病身で、入院退院をくりかえしていて、二日も会いにゆかないと、ふざけ半分、皮肉半分、「どこか、ご旅行でしたか」という。四日もゆかないと「パリへお出かけでしたか」といった。一週間、会わないと、もうすねて「あなたはどなたです」という始末であった。 父は賑やかなことの好きな人だった。だから、元気なときは仕事の関係もあって、宴会宴会にあけくれていた。くいしん坊で大ぐいだったから、夕食のご招待は、はしごがたび......
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患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
血液なんて一滴も流れていないかのような白くて弱々しい弟の腕
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(人工呼吸器)規則的に胸を上下させ、静かに息をし続けていた。プスー、プスーという人工呼吸器の音が止むことなくICUの中に響いていた。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
(患者)彼らの姿はたしかに墓場に集まってくる幽霊を信太郎にも連想させた。
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
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皮肉・嫌みの表現・描写・類語(対立・敵対のカテゴリ)の一覧 ランダム5
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「対立・敵対」カテゴリからランダム5
(大空襲の焼け跡)人間が焼鳥と同じようにあっちこっちに死んでいる。
坂口 安吾 / 白痴 amazon
戦争というものは、人間の生命をまったくごみのように無視して成立する
福永 武彦 / 草の花 amazon
ネコがネズミをいたぶるように次々と攻撃してくる。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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(この人は、)大理石に端正に刻んだ像を見るように、冷やかで静かなところが見え
大仏 次郎 / 宗方姉妹 (1954年) amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
彼は少しずつ日頃の自分を取りもどして行った。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
暴れるようにしてそれ(=酒)を捜し、見つからなかったらヘアトニックでも良いから飲みたくなった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
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