今、戸田のほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:89% 作品を確認(amazon)
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罪悪感・後ろめたい・良心の呵責
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前後の文章を含んだ引用
......はまだ耳に残っている。本能的恐怖が心を襲ってきたが、戸田はしばらく、我慢していた。すると小波でも引くようにその恐怖は消え、自分でもふしぎなほど落ち着いてくる。 今、戸田のほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。だが、この手術室に戻ってきても、そうした感情はやっぱり起きてはこなかった。普通の人とちがって、医学生である彼はむかしからひとりで手術後、手術室にはいることに狎れ......
単語の意味
呵責(かしゃく)
胸(むね)
呵責・・・責め立ててること。厳しく叱ること。悪い行いを非難すること。かせき。
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(見殺しにした良心の呵責)殺した、殺した、殺した、殺した……耳もとでだれかの声がリズムをとりながら繰りかえしている。(俺あ、なにもしない)勝呂はその声を懸命に消そうとする。(俺あ、なにもしない)だがこの説得も心の中で 撥ねかえり、小さな渦をまき、消えていった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
盗品を匿(かく)し持っているような後ろぐらさ
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
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後悔しているのだと、城戸は思った。〝塩漬け〟にしておいた株が、損切りした途端に値上がりしたのを知った素人投資家のような顔をしていた。《…略…》自分の浅慮を恨んでいる風だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
自分の意志通りに動けば私は後悔なんてしない事よ。
林芙美子 / 新版 放浪記
顳顬 に血汐が押し寄せ、後悔が全身をだるくさせてきた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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針を呑むような呵責の哀しみ
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
有島武郎 / 或る女
今、戸田のほしいものは呵責だった。胸の烈しい痛みだった。心を引き裂くような後悔の念だった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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胸で感じる後悔の表現・描写・類語(悔やむのカテゴリ)の一覧 ランダム5
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「じゃ何か食べましょう、私の心がすまないから。」
林芙美子 / 新版 放浪記
後悔が、どこまでも尽きない原始林のように、心の奥に薄暗く生い茂る
福永 武彦 / 草の花 amazon
針で突くような痛みを鋭く深く良心の一隅 に感ぜずにはいられなかった。
有島武郎 / 或る女
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