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母はいつも片方の頰をかきむしった。そこに何かが宿り、それを長く伸ばした爪でほじくり出そうとでもするかのように。
中村文則 / 教団X ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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撫でる・さする・こする
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前後の文章を含んだ引用
......お父さんは」という言い方をした。そのことで、小さかった峰野は、自分が責められてるような気持ちになるのだった。母はしゃべりながら、自分の頰をかいた。母の癖だった。母はいつも片方の頰をかきむしった。そこに何かが宿り、それを長く伸ばした爪でほじくり出そうとでもするかのように。 でもそれは、母だけが悪いのではなかった。母の両親は、母に冷たかった。母の実家に行った時、峰野は敏感に感じ取っていた。母は昔から虐げられ孤独なのだ。だから、自分......
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(闇の中で)盲人のようにそのまわりを 掌 でさすった
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
(子猫を撫でる)手を櫛のようにして白く柔らかい毛の中に入れ、温かい体をわしわしと撫でる
湊 かなえ / マイディアレスト「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」に収録 amazon
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(旅先で寝る)ぼくは服を脱いで、布団の中に潜り込んだ。でもうまく眠れなかった。《…略…》そして長い移動の興奮が、身体の中に残響のように残っていた。ぼくは固いベッドの上で、自分がまだ終りのない移動を続けているような錯覚に襲われた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
風に吹かれるベコ人形が首を振るように、首を左から右に振った。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
糸が切れて離れた首飾りの玉のように、涙が散らばる
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
葡萄糖を両手にかかえてネズミのように齧(かじ)っている。
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
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