話さなくてはならないことがあるのだが、それを口にすることによって、そこに含まれている事実が、事実としてより確実なものになってしまうかもしれない。できることならそのポイントを少しでも先に延ばしたい。そのような意味合いが込められた沈黙だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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それきり何も話そうとはしなかった。ふたりは再び黙りこくって、ただ向かい合っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
しばらく吉住は、なにもしゃべらずに麻理子が話し出すのを待っていた。部屋の中に沈黙が降りた。吉住にはそれが雪のように天井からゆっくりと舞い降りてきて、麻理子のベッドのシーツに降り積もるような錯覚を覚えた。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
なにを話していいかわからず、といって沈黙のままというのも気が重い。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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口振りに棘が埋まっている
黒井 千次 / 群棲 amazon
居合抜きの稽古のような声
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
私の声にはっきり含まれていた拒絶を感じたのだろう、ではよろしくお伝え下さい、と電話は切れた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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