不思議なほどしめやかな沈黙が続いた。たき込めた香 のにおいがかすかに動くだけだった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......も……」 そう絶え入るように声を細めて岡は言葉を結ばぬうちに口をつぐんでしまった。そのあとには沈黙だけがふさわしいように口をつぐんでしまった。 実際そのあとには不思議なほどしめやかな沈黙が続いた。たき込めた香 のにおいがかすかに動くだけだった。 「あんなに謙遜 な岡君も(岡はあわててその賛辞らしい古藤の言葉を打ち消そうとしそうにしたが、古藤がどんどん言葉を続けるのでそのまま顔を赤くして黙ってしまった)あな......
単語の意味
香(こう)
香・・・かいでいい匂いがするもの。いい匂いがする物質(香料)を練り固めたもの。火をつけて煙を立ちのぼらせて、香りをたたせるもの。ねり香。お香。
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「ふうん」と言って男はしばらく黙った。沈黙の質を見定めるような黙り方だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
むっつり口をつぐむ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
話のつぎ穂を忘れて歩いていた
吉川英治 / 八寒道中
棒杭のように押し黙る
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
野太い男のバスの声
岡本かの子 / 渾沌未分
初年兵係はさらに厚い唇をぬらして言った。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
声のトーンこそ落としているが、興奮口調である。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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