焦げるような太陽と砂の匂い

ガラス窓で弾ける反射光が目に沁みる

けぶったような薄日

差し込んでくる光を受け、ネクタイの木目の模様が水に浮く油のように変化してゆく

静かな蒼空は、澄んで、幅広い白金のような日光を漲らして

窓から差し込む光が柔らかすぎて、彼の輪郭がぼやけるほどだった。

遅い秋の午後の重みのない透明な光

嵐が来る前のように暗い空

ビルや、住居の屋根や側面は、巨大な面で光を受けて照り返し、何もかもが同じように白く発光していて、その白い部ですべてのものが溶け合って、なにかべつの大きなひとつのものとなって動き出しそうな気がするほどにでっかく

空は悲しいまで晴れていた。そしてその下に町は甍（いらか）を並べていた。