姉のとん子は、姉の権利はこんなものだと云わぬばかりにうんと右の手を延ばして妹の耳の上へのせている。妹のすん子はその復讐 に姉の腹の上に片足をあげて踏反 り返っている。双方共寝た時の姿勢より九十度はたしかに廻転している。しかもこの不自然なる姿勢を維持しつつ両人とも不平も云わずおとなしく熟睡している。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:35% 作品を確認(青空文庫)
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体を横たえる
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前後の文章を含んだ引用
......呼吸の用を弁じているのはズーズーよりも見ともないと思う。第一天井から鼠 の糞 でも落ちた時危険である。 小供の方はと見るとこれも親に劣らぬ体 たらくで寝そべっている。姉のとん子は、姉の権利はこんなものだと云わぬばかりにうんと右の手を延ばして妹の耳の上へのせている。妹のすん子はその復讐 に姉の腹の上に片足をあげて踏反 り返っている。双方共寝た時の姿勢より九十度はたしかに廻転している。しかもこの不自然なる姿勢を維持しつつ両人とも不平も云わずおとなしく熟睡している。 さすがに春の灯火 は格別である。天真爛漫 ながら無風流極まるこの光景の裏 に良夜を惜しめとばかり床 しげに輝やいて見える。もう何時 だろうと室 の中を見廻すと四隣はしん......
単語の意味
腹(はら)
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
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外の世界と自分の世界を厳密に隔てるように、掛け布団を首まで引っ張り上げた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
豚のようにゴロゴロしていた
小林多喜二 / 蟹工船
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止まり木でおびえる小鳥のように瀬を丸めて顔を伏せる
安岡 章太郎 / 悪い仲間 amazon
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疲れた身体にわずかに一睡を偸(ぬす)む
長塚 節 / 土 amazon
布団の対角線上を泳いでいるような格好で、おおらかに眠っている
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
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