やさしくて穏やかで、そして何処に行くあてもない口づけだった。《…略…》あたたかくて親密な気分になっていて、そのことを何かのかたちで残しておきたいと無意識に考えていたのだろう。我々の口づけはそういうタイプの口づけだった。
村上春樹 / ノルウェイの森 作品を確認(amazon)
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キス・口づけ
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キス・口づけの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
唾液を滴らせながら嚙みつくような烈しいキス
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
唇に小粒 な白い歯をもって行く。薫は黙って吸わせたままに
岡本かの子 / 渾沌未分
彼女の唇は脱力して彼の唇に絡みついた。その口づけは、体に棲みついた官能を呼び起こす種類のものでは決してなかった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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僕のペニスはとても固く、そして熱かった。それだけ激しく僕は彼女を求めていたのだ。僕はひどく乾いていたのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
ゆっくりゆっくりと〝の〟の字を描く。乳首の先端の、たとえようもないほど狭い面積の上に、長原はいくつも、何十回となく〝の〟の字を描く。《…略…》長原の〝の〟の字は終って、今度は〝く〟の字だ。それは美登里の右の脇腹付近を何度も往復した。大胆さには、いつのまにか確信が加わっていた。
林 真理子 / ◦最終便に間に合えば林 真理子「最終便に間に合えば」に収録 amazon
言葉は一言も交わされない。ベアールは両目を大きく開け放ったまま、喘ぎながら男を受け入れ、虚空を凝視している。その、黒い湖面を思わせるような大きな瞳がみるみるうちに潤み始める。半開きになった唇も濡れている。汗のせいで、頰も小鼻の脇も額も顎も、何もかもが濡れている。まるで水の中で見る女の顔みたいだ。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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