不思議な浮遊感
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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浮遊感
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......覚えている。この時の天気はこうだった、実はこのとき生理痛で、立っているのがやっとだった……とかね。だから、これは私で、ほかの誰でもない。 でも、ぴんと来ない。 不思議な浮遊感だ。 こんな変な精神状態でも常に『私』を営み、疲れを知らず回り続ける自分に拍手を送りたい。 私の家には今、母と、私と、小学校四年の弟と、居候をしている母の幼なじ......
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靴の底と地面との間にどうしても生じてしまう何センチかの空白を踏んで、ふわふわと歩く。水島の手が肩に置かれていなければ、このまま舞い上がってしまいそうだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
どこまでも落ちていく。 あるいは、昇っていく。 そんな判然としない浮遊感
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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正面の席が揺れ出すのを感じた。またか。舌打ちが出る。座席だけではない、情景すべてがぐらぐらと震え、輪郭が崩れた。周囲が振動しているのではなくて、自分が眩暈を感じているのだ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
(酔った声)酔いのせいで、いっそう潤んだ弦の音色が声に滲む。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「どうすれば恋の苦しみから逃れられるのか」といったたぐいのことを自分の中に設問として立ててみた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
目を覚ましてしばらくすると、『オズの魔法使い』にでてくる竜巻のように空腹感が襲いかかってきた。それは理不尽と言っていいほどの圧倒的な空腹感だった。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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