はるか遠くを灯台の明かりがまわっている。くるりとこちらを向き、また遠ざかり、波の上に光る道を作る。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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灯台
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......、妙に哀しい、甘やかな気持ちになった。 きっとまだこれから、楽しいことも苦しいことも、いくらでもある。……たとえ、雄一がいなくても。 しんと、私は思っていた。 はるか遠くを灯台の明かりがまわっている。くるりとこちらを向き、また遠ざかり、波の上に光る道を作る。 うん、うんと納得して、私は鼻水をたらしながらホテルの部屋へ戻った。 部屋についている簡易ポットでお湯をわかしながら、熱いシャワーを浴びてすっかり着替えてベッド......
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