(兄の話に)話している方も聞いている方も惹 き入れられて、兄が口をつぐむと、静かになった。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:62% 作品を確認(青空文庫)
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熱弁・熱く語る
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前後の文章を含んだ引用
......ているのだ。―― 兄の話のあらましはこんなものだった。ちょうど近所の百姓家が昼寝の時だったので、自分がその時起きてゆかなければどんなに危険だったかとも言った。 話している方も聞いている方も惹 き入れられて、兄が口をつぐむと、静かになった。 「わたしが帰って行ったらお祖母 さんと三人で門で待ってはるの」姉がそんなことを言った。 「何やら家にいてられなんだわさ。着物を着かえてお母ちゃんを待っとろと言うたり......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
陣治とならいくらでも黙っていられる。これを窒息感というべきか安堵感というべきか?
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
夢野久作 / ドグラ・マグラ
対談は愉快な諒解によってではなく、言葉の循環に倦怠して、打ち切られた形であった。
宮本百合子 / 伸子
話し疲れた二人は暫 く黙っていた。
岡本かの子 / 河明り
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熱弁・熱く語るの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夫があまりに熱心に語るので、聴いているというより、その様子を見守っている風だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
身を乗り出すように、子供のじまんをする親のように、これらの音楽について熱っぽく語り始めた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
話し振りはいつもの泡を飛ばすような気負いが抑えられ、ほどよい熱弁となっていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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話し上手の表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
謎めいた楽の音に聞き入るがように話に聞ほれる
真継 伸彦 / 鮫 amazon
どれも長い話で、まるで精密画みたいに克明だった
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
僕もその頃には葡萄を食べるのをやめて、じっと彼女の話に聞き入っていた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
彼女の上手な話は、メルヘンのように美しい
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
(独白みたいな話し方)「ハワイってどうなの? くわしいでしょ? 今度親戚の結婚式で行くんだ。」 僕は言った。アップルちゃんは淡々と答えた。 「いつもニューオータニ。なんか彼の仕事の関連で。それでいつもドライブして、屋台でエビを食べて、タートルベイで晩ごはん食べるの。ノースショアのほうが、私は好き。緑と空の色が特別なの。シュノーケリングもするよ。イルカもいるし。亀も。オアフに行くんだよね?」 「そうみたい。」 僕は言った。 彼女の話はいつも絵ばかりがどんどん展開する本のようなのだ。そして、いくら目の前にいて、僕に向かってしゃべっていても、独白みたいなのだ。
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
声が不協和音のように耳底に残る
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
(夜道での会話)もうほとんど立ち止まっている二人を、無灯火の自転車が後ろから追い抜いていく。そこに生まれた小さな風が、沈黙を埋められずに散っていった。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
「あなたは、難儀に苦しんでいらっしゃいませんか」《…略…》わたしは何とか彼の質問にうまく答えてみようとした。心の中で、なんぎ、という言葉をつぶやいてみた。それは聞き慣れない哲学用語のように、つかみどころがなかった。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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