野外は、真冬の匂いがした。 冷たい空気に混じって、これからやってくる本当の寒さの予感が、体の中に伝わってくる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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冬
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前後の文章を含んだ引用
......私は出かけた。 二時だった。近所に三時までやってるブックストアがあるのだ。店の半分がレンタルビデオ屋になっている。 私は雑誌と、新刊本を何冊か買って外に出た。 野外は、真冬の匂いがした。 冷たい空気に混じって、これからやってくる本当の寒さの予感が、体の中に伝わってくる。枯れた木立が骨のように、薄暗いシルエットを作る空に映えていた。欠けてゆく月がはるか天空に小さく強く光っていた。 私は鼻歌を歌いながら、路地を歩いていた。前から、......
単語の意味
真冬(まふゆ)
体(からだ)
真冬・・・冬の真っ最中。冬、一番寒い時期。
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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外を吹く風は冷たく、気温は十二月上旬にしてはずいぶん低かった。暖冬、という下馬評を覆そうと躍起になっているのか、と七尾は思いたくなった。空がうっかり気を許し、締めていた紐の口を弛めれば、雪でも降ってきそうな気配が満ちている。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
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