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鋭利な刃は十五センチ近くある。柄のかたちも、握った手のなかにしっくりなじむ気がする。これを、背後からまっすぐに突き立てれば、陣治の心臓に届くだろうか。 そのときのことを想像すると、ステンレスの冷たさを押し当てられたかのように背筋が粟立つ。しかし、心の芯は不思議と静まり返って、揺るがない決意が充ちてくるのを感じる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:86% 作品を確認(amazon)
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殺意
決心・決断・覚悟する
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前後の文章を含んだ引用
......、すぐに建物内のトイレに入る。台紙と透明フィルムを乱暴に引き剥がしてナイフを取り出すと、たたみ込まれた刃を引き起こしてみる。少し固くて力がいるが、思ったより細い鋭利な刃は十五センチ近くある。柄のかたちも、握った手のなかにしっくりなじむ気がする。これを、背後からまっすぐに突き立てれば、陣治の心臓に届くだろうか。 そのときのことを想像すると、ステンレスの冷たさを押し当てられたかのように背筋が粟立つ。しかし、心の芯は不思議と静まり返って、揺るがない決意が充ちてくるのを感じる。 バスのなかでも、電車に乗ってからも、バッグに潜ませたナイフのところに絶えず気持が引き寄せられてしまう。何度か手を入れて、たたんだままの柄を握りしめてみずにいら......
単語の意味
背筋(せすじ・はいきん)
背筋・・・1.(せすじと読んで)背骨の外側のくぼんだ部分。背中の中心線。
2.(せすじと読んで)裁縫で、背中にあたる縫い目。
3.(はいきんと読んで)背中にある筋肉。背骨の外側を、縦(たて)に通る筋肉。
2.(せすじと読んで)裁縫で、背中にあたる縫い目。
3.(はいきんと読んで)背中にある筋肉。背骨の外側を、縦(たて)に通る筋肉。
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殺意の表現・描写・類語(怒りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
殺意が朝の海風のように胸を吹き抜ける
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
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決心・決断・覚悟するの表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
熟慮に熟慮を重ねた上での決意
池井戸 潤 / 民王 amazon
そういう決意が顔に出てた
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
譬えば絹の糸の結ばれて解きかねるようになっているのをいかに処理しようかと問題にして惑っている時、好意ではあるにしても傍(そば)より急にその一端を強く引かれていよいよ解きがたくなっだので、ええ面倒ナ切ってしまえ、と剪刀(はさみ)を取り出す気になるような、腹の中で決断がついてしまった
幸田 露伴 / 連環記 amazon
胸中を占めているのは寸分の揺るぎもない決意
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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「心」の言葉を含む怒りの表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
陣治を傷つけたい。最も効果的にダメージを与える言葉を選びだして、陣治の心臓にまっすぐ突き立てたい。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「判断」カテゴリからランダム5
強い意志を秘めるかのように結ばれた唇
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
部屋を出て行こうと決心した夜もありました。あのとき確かに私のなかで何かが動き、かちっと音がしてレールの進路が変更されるはずでした。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
それは、繊細なニットに引っかかってしまったアクセサリーか何かのように、慎重に取り扱わなければ、彼女の心に取り返しのつかない痕を残してしまいそうだった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
「怒り」カテゴリからランダム5
すべてを忘れて怒りの青白い光に全身を染めたその様子
吉本 ばなな / TUGUMI amazon
男への反感がむらむらと燃えた。
林芙美子 / 新版 放浪記
「嫌い」カテゴリからランダム5
唇の右の上へ幼稚で意地の悪い皺 をちょっと刻んだ
岡本かの子 / 河明り
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