となりには竜一郎がいる。 背もたれを思いきり倒して、眠っている。 弟みたいなまつげをしている。 こんなふうに、いとおしいものの寝顔はみんな同じに見える。とおくて、さみしい感じがする。眠れる森の美女のような影を落として、私のいない世界をさ迷っている。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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寝顔
恋人
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......にぴったりはまっていた。でも、こんなふうにいくら並べ立てても、機内食についてきたビールに酔っぱらった今の私の不思議きわまりない解放感を説明することはできない。 となりには竜一郎がいる。 背もたれを思いきり倒して、眠っている。 弟みたいなまつげをしている。 こんなふうに、いとおしいものの寝顔はみんな同じに見える。とおくて、さみしい感じがする。眠れる森の美女のような影を落として、私のいない世界をさ迷っている。 後ろの席には、新しい友人がいる。 名を、コズミくんという。一緒にサイパンに行くのだ。 コズミくんはとても変わった人だ。私は今まで生きてきて、TVの中でも、本の......
単語の意味
寝顔(ねがお)
背(せ)
寝顔・・・寝ているときの顔つき。眠っているときの表情。
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K君が彼女の方を見た。彼女を見る時の彼の目には、気持ちがこもっていた。いとおしさや安らかさや清らかさや、そんな種類の気持ちだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
主従以上に親しかった
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