(憎しみを)爆発させることができない。ぶっ殺してやる、とぶるぶると震える自分を、どこかガラス越しで眺めている印象で、それはよく似た他人の感情を勝手に想像しているだけにも思えた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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我慢・辛抱・耐える
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前後の文章を含んだ引用
......が起きるはずだから」王子が、木村の背を押してくる。手足のバンドは外れているが、自由になった感覚はない。もちろん王子に対する憎しみは身体を覆っている。ただ、それを爆発させることができない。ぶっ殺してやる、とぶるぶると震える自分を、どこかガラス越しで眺めている印象で、それはよく似た他人の感情を勝手に想像しているだけにも思えた。 七号車の通路を、前へ向かって進んでいく。後ろにいるのはただの中学生であるにもかかわらず、油断ならない獣に後をつけられている、そういった恐怖を感じた。俺は、この......
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我慢・辛抱・耐えるの表現・描写・類語(我慢・諦めのカテゴリ)の一覧 ランダム5
真夜中のふとんの中でのたうち回り、歯を食いしばって耐えた。
吉本 ばなな / 血と水「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
私は、「あ」と声が出た。その「あ」は主として睦子への哀惜のようなもの、時には欲情のようなもののこみ上げをおさえるための声だった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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我慢・諦めの比喩表現の例文 一覧 ランダム5
地の底の地獄の門まで墜落してゆきたいようなやぶれかぶれな気持ち
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
彼の分別のあった心は、闘牛者の槍を受けた牡牛のように荒んでしまった。
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
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「我慢・諦め」カテゴリからランダム5
歯が金物のようにガチガチ鳴った。
林芙美子 / 新版 放浪記
七彩(なないろ)に変わる石鹼玉(しゃぼんだま)の色のように、倏忽(しゅくこつ)に気持ちが変わる
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
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