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久能が自分の気持ちソックリに作ったというこの鼓の死んだような音色……その力なさ……陰気さの底には永劫 に消えることのない怨みの響きが残っている。人間の力では打ち消す事の出来ない悲しい執念の情調 がこもっている。
夢野久作 / あやかしの鼓 ページ位置:67% 作品を確認(青空文庫)
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太鼓・ドラム・打楽器
呪い・たたり
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前後の文章を含んだ引用
......になった心持ちだけをこの鼓に籠めた。私の淋しい空 になった心持ちだけをこの鼓の音 にあらわした。怨 む心なぞは微塵 もなかった――と……。 しかしそれはあやまっていた。 久能が自分の気持ちソックリに作ったというこの鼓の死んだような音色……その力なさ……陰気さの底には永劫 に消えることのない怨みの響きが残っている。人間の力では打ち消す事の出来ない悲しい執念の情調 がこもっている。それは恐らく久能自身にも心付かなかったであろう。無間 地獄の底に堕ちながら死のうとして死に得ぬ魂魄のなげき……八万奈落の涯をさまよいつつ浮ぼうとして浮び得ぬ幽鬼の......
単語の意味
陰気(いんき)
永劫(えいごう・ようごう・ようこう)
陰気・・・気分や天気などが、スッキリしない。明るくなく、ドンヨリしている。⇔陽気。
永劫・・・非常に長い年月。「劫(こう・ごう)」は仏教における時間の最長単位で「きわめて長い時間」のこと。
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太鼓・ドラム・打楽器の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ポコリポコリという鼓を打った。
夢野久作 / あやかしの鼓
大きな釜のようなたいこ
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
鼓の音〆 はほかの誰のよりもまん丸くて、キレイで、品がよかった
夢野久作 / あやかしの鼓
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呪い・たたりの表現・描写・類語(信仰のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その呪いを解消しない限り、それは虫歯みたいにあなたを死ぬまで苦しめつづける
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
(その呪いは)何年も洗濯していないほこりだらけのカーテンが天井から垂れ下っているような気がする
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
井戸からは発散される山村貞子の強い怨念
鈴木 光司 / らせん amazon
七年付き合ってこの言い草、寝てるとき首や肩が重くない? 彼女に生霊くらい飛ばされてても不思議はない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
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教団の子供たちが学校に行きたくない気持ちは彼女にも理解できた。学校に行っても異分子としていじめられたり無視されたりするだけなのだから。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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すきとおった硝子 のような笛 が鳴って汽車はしずかに動きだし
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
(聞き分ける)比丘尼 が木魚の音を聞き分けるごとく
夏目漱石 / 吾輩は猫である
始業のベルが鳴った。校舎のまわりの騒ぎは、潮がひくように静まって
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
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