真直ぐに立ち昇り、渦巻 きながら円を開いて拡げた翼 のようにだんだんと空を領している煙
横光利一 / 日輪 ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
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けむり
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前後の文章を含んだ引用
......つれて、益々冷たく空の一点に食い入った。ふとその時、草叢 の葉波が描いた地平の上から立昇っている一条の煙が彼女の眼の一角に映り始めた。それは薄れゆく霧を突き破って真直ぐに立ち昇り、渦巻 きながら円を開いて拡げた翼 のようにだんだんと空を領している煙であった。彼女は立ち上った。そうして、格子を掴 むと高らかに煙に向って呼びかけた。 「ああ、大神はわれの手に触れた。われは大空に昇るであろう。地上の王よ。我れを見よ......
単語の意味
領する(りょうする)
渦巻く(うずまく)
襟・衿・領(えり)
領する・・・自分の領土にする。自分の所有物とする。
渦巻く・・・1.水や煙がグルグルと回って渦になる。ある感情が心の中に渦のようにグルグルと存在する。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
襟・衿・領・・・1.衣服の、首を取り囲む所につけられている部分。また、そこにつける縁どりの布。カラー(collar)。和服では、前で交わる細長い部分やそこにつける布を指す。
2.首の後ろの部分。首筋。うなじ。
3.掛け布団の、首に直接あたる部分にかける細い布。
2.首の後ろの部分。首筋。うなじ。
3.掛け布団の、首に直接あたる部分にかける細い布。
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煙は、 折 釘 のように直角に折れ曲って、折れた先は磁針のように、絶え間なく不安に揺れた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
煙が真っ直ぐにのぼり、末は扇のようにひろがって空にまぎれ込む
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
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炬火の火が闇の中に不気味に燃えながら近づいてきました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。
芥川龍之介 / 芋粥
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