病院のベッドの上で、美咲は透明になりかけていた。薄くなり、色を失い、透けていこうとしていた。このまま消えちゃうんじゃないかと思った。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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患者・病人・けが人
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前後の文章を含んだ引用
......泣きそうなんだって、よーっく、わかったもんだ。あんた、ほんとに、わかりやすいから」 唇を嚙み締める。ここで黙ったら負けだってわかっているけれど、何も言えない。 病院のベッドの上で、美咲は透明になりかけていた。薄くなり、色を失い、透けていこうとしていた。このまま消えちゃうんじゃないかと思った。思えば怖くて、失いたくなくて、泣きそうになった。 美咲が快復して退院できそうだと、師岡のおばちゃんがわざわざ報せに来てくれたときは、もうちょっとでおばちゃんを抱......
単語の意味
色を失う(いろをうしなう)
色を失う・・・恐怖や不安で顔が真っ青になる。思ってもみない出来事に唖然とすること。
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患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
患者の手足はかたくこわばり、木づくりの人形のようだった
北社夫 / 夜と霧の隅で amazon
今は、はやく退院して新宿行って、中村屋のカレー食べたいな、とか和田門のステーキかな、とかうきうきして外出のことばっかり考えてるけど。《…略…》普段の生活がすごーい、すばらしい幸福に満ちあふれているように思えたりして。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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「人の印象」カテゴリからランダム5
分別くさく大人のようにひからびているくせに利口そうでもない。
壷井 栄 / 裲襠 (1958年) amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
首のつけ根のうすい筋肉はひどくこっていて、燃え残しの根株のように熱っぽかった。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
松毛虫をつまんだようにぞっと背すじへ走る
森田 たま / もめん随筆 amazon
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