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......を怖れず、老犬は勇敢に、悠然と構えている。　犬の顔をぎゅっと抱き寄せる。「おまえはえらいよ」　この親爺は何を言っているのだ、と老犬はそう言いたげでもあった。４　どこかで銃声が鳴った気がした。黒澤は立ったままで窓に目をやる。車のバックファイアーの音にも聞こえた。「どうした？」佐々岡が言った。「いや」と黒澤は言葉を濁す。車の音のことなど、十数年ぶりに再会した友人とすべき話でもないだろう。　佐々岡が動揺しているのが見て取れ......