ぱちぱちと火の粉がはぜて、浜が白く照らされた。たいして大きなたき火じゃなかったが、波音をかき消すような火の音が、闇をさえぎるようだった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
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焚き火・かがり火
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前後の文章を含んだ引用
......平線。ちらちらと光る海辺の街明かり。海沿いの道路をゆっくりと、人工衛星みたいに進んでゆく車のヘッドライト。 闇が濃くなるにつれて、やっと火の勢いも強まってきた。ぱちぱちと火の粉がはぜて、浜が白く照らされた。たいして大きなたき火じゃなかったが、波音をかき消すような火の音が、闇をさえぎるようだった。「火は、いくら見ててもあきない。」「うん。」 海はつるつるに光って、まるで舞台のセットの上の1枚の黒い布が滑らかに揺れているみたいに見えた。微妙に違う色の空との......
単語の意味
爆ぜる(はぜる)
爆ぜる・・・割れて中身が飛び散る。はじける。熟しきった果実の殻が破れて、果肉がプチッと外に出る。
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焚き火・かがり火の表現・描写・類語(火・煙・灰のカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が薪の中から紅蓮の舌を煽り出す
柴田 錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
炬火の火が闇の中に不気味に燃えながら近づいてきました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
沢山の松明がその下に集められる。その辺一帯、火事のように明るくなり
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
ちらちらと揺れる蝋燭の炎越しにしばらく僕の顔を見ていた。羊男の大きな影がしみのある壁の上で揺れていた。拡大された誇張された影だった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
野火の煙が、回転する磁石の針のように揺れる
大岡 昇平 / 野火 amazon
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