辰川が黙り込んだ。その沈黙が、同じことを思い浮かべていることを物語っていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......記述を思い返していた。引っ越しの当日、富士市の実家の前で、尾畑小枝子が杉山芳江と立ち話をしたときに、二人の話題の中に、子供たちの兄弟喧嘩が含まれていたという。 辰川が黙り込んだ。その沈黙が、同じことを思い浮かべていることを物語っていた。やがて、辰川が口を開いた。「喧嘩のアクシデントで、理恵さんが守くんを死に至らしめたと考えるんですか」 一拍の間の後、間島は苦笑いを浮かべた。「いくらなんでも、飛......
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黙って眺めていると、水島が重ねてきいてくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
創作に向き合う時に沙希の存在をうとましく感じてしまうようになった。沙希が僕を気遣って話すのを止めた時、その静けさはとても大きな音として僕の神経を逆なでするようになった。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
妻に「仕事を辞めようと思うんだけど」と切りだしたとき、「そうね」と彼女は言った。その「そうね」というのがどういう意味なのか僕にはよくわからなかったが、それっきり彼女はしばらく黙っていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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何を言えばいいのかわからなかったので、ぼくは黙っていた。広々としたフライパンに新しい油を敷いたときのような沈黙がしばらくそこにあった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(独白みたいな話し方)「ハワイってどうなの? くわしいでしょ? 今度親戚の結婚式で行くんだ。」 僕は言った。アップルちゃんは淡々と答えた。 「いつもニューオータニ。なんか彼の仕事の関連で。それでいつもドライブして、屋台でエビを食べて、タートルベイで晩ごはん食べるの。ノースショアのほうが、私は好き。緑と空の色が特別なの。シュノーケリングもするよ。イルカもいるし。亀も。オアフに行くんだよね?」 「そうみたい。」 僕は言った。 彼女の話はいつも絵ばかりがどんどん展開する本のようなのだ。そして、いくら目の前にいて、僕に向かってしゃべっていても、独白みたいなのだ。
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
急に火が点いたような泣き声が上がった。
湊 かなえ / 優しい人「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」に収録 amazon
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