化粧していると、着飾ることが、めかすことが、また以前のように一人の男の人のためにする作業になったことに、ほっとしました。特定の人ではなく、だれか分からない、不特定多数の人たちのためにメイクアップするのは、おおげさに言うと全方位に媚を売っているようで、心もとない気持ちになります。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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化粧・白粉をした顔
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前後の文章を含んだ引用
......ぷか浮いていました。9 とうとう絃がやってくる。自分の意思で、私の故郷まで。結婚なんてどうでもいいくらい、彼が来るという事実がうれしい。約束の日の朝、鏡のまえで化粧していると、着飾ることが、めかすことが、また以前のように一人の男の人のためにする作業になったことに、ほっとしました。特定の人ではなく、だれか分からない、不特定多数の人たちのためにメイクアップするのは、おおげさに言うと全方位に媚を売っているようで、心もとない気持ちになります。自分を良く見せるためにではなく、彼に良いと思ってもらうために引く口紅は、なんて充実してるんだろう。化粧すること、着飾ることすべてが、一つとして無駄ではない作業と......
単語の意味
心許ない(こころもとない)
化粧・仮粧(けしょう・けそう)
着飾る(きかざる)
心許ない・・・頼りにならなそうで不安。心配。
化粧・仮粧・・・粧(めか)して(=飾り立てて)化けること。
1.ファンデーションや口紅などを付けて、顔が美しく見えるようにすること。おつくり。
2.物の表面を美しく飾ること。装いを新たにすること。
3.外から見えるところ。外面にあらわれている部分。また、上辺(うわべ)だけのこと。虚飾(きょしょく)。
1.ファンデーションや口紅などを付けて、顔が美しく見えるようにすること。おつくり。
2.物の表面を美しく飾ること。装いを新たにすること。
3.外から見えるところ。外面にあらわれている部分。また、上辺(うわべ)だけのこと。虚飾(きょしょく)。
着飾る・・・美しい衣服を着て、身なりを飾る。人目を引くような、盛装する。
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化粧を夜の灯の下で映える色味で仕上げる
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
お白粉を施けたとこはまるで炭団(たどん)へ霜が降ッたようでございます
二葉亭 四迷 / 浮雲 amazon
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現実でも理想でもない、中間的の美しい顔
岡本かの子 / 金魚撩乱
「化粧」カテゴリからランダム5
コンパクトは飛ばされて、ねりかためられた粉も鏡も粉々になって割れてしまって、それは遠くから見るとひからびた小動物の骨のようにも見えた。
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
昼の 日中 には似つかわしくない香水の匂い
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
口紅の先端が、ユリの雌蕊(めしべ)のようにどす黒い赤い色
池田 満寿夫 / 10フランの恋人 amazon
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