そこにデザートとエスプレッソが運ばれてきて、話が中断した。

ホテルのラウンジに似た店内

（ケーキ屋は）壁も天井もガラス張りで、温室のような店だった。

（古いお好み焼屋の店内は食べ終わった後の）戦争の後のような鉄板を、窓からの午後の陽が照らしていた。

会社の隣に小さな喫茶店があり、コーヒーが二百円で飲める

（深夜のパリのブラッスリー）時計は午前二時を過ぎた。攪（か）き廻（まわ）されて濃くなった部屋の空気は、サフランの花を踏み躙（にじ）ったような一種の甘い妖（あや）しい匂いに充（み）ち、肉体を気だるくさす代りに精神をしばしば不安に突き抜くほど鋭く閃（ひらめ）かせた。人と人との言葉は警句ばかりとなり、それも談話としてはほんの形式だけで、意味は身振りや表情でとっくの先に通じてしまう。廻転（かいてん）ドアの客の出入りも少くなり、その代り、詰めに詰め込んだという座席の客は、いずれもこの悪魔的の感興の時間に殉ずる一種の覚悟と横着とを唇の辺にたたえ、その気分の影響は、広間全体をどっしりと重いものに見せて来た。

団地のような公務員宿舎に裁判官の家庭が集まった棟がある

質屋の利息だけは、暴君に年貢を収めるように、毎月三日までには必ず収めるのを怠ったことがありません。

天井が全部鏡の部屋

廊下には消毒薬の臭いに垢くさい臭いが漂っている。