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ベルの最後の一音がアパートの長い廊下を突き抜けて夜の闇に吸い込まれると、突然の静寂があたりを被った。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:30% 作品を確認(amazon)
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電話の音・電話が鳴る・着信
静けさ・静寂
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前後の文章を含んだ引用
......ん気が向かない時には誰も電話には出ない。電話は死を予感した象のように何度か狂おしく鳴き叫び、そして死んだ。死んだ、という言葉はまったくの文字どおりのものだった。ベルの最後の一音がアパートの長い廊下を突き抜けて夜の闇に吸い込まれると、突然の静寂があたりを被った。実に不気味な沈黙である。誰もが布団の中で息をひそめ、もう死んでしまった電話のことを思った。 真夜中の電話はいつも暗い電話だった。誰かが受話器を取り、そして小声で......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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電話の音・電話が鳴る・着信の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ル、ルン。 突然電話のベルが鳴った。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
電話のベルが十二回鳴ったが、僕は受話器をとらなかった。ベルが鳴りやんだあとも、その余韻は部屋の淡い夕闇の中にちりのように漂っていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
電話のベルが鳴った。ベルの音が頭の中に進入してきて、緑色のギザギザした光を放つ。
池澤夏樹 / 真昼のプリニウス amazon
(小布団の敷かれていない電話機)じかに置くと、ベルが鳴ったとき耳障りながさつな音を立てる
向田邦子 / 花の名前「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
音はなく、水底のように静かである。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
病室は相変わらずしんと息を静めていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
梯子段を上って来る音がしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
遠くからまっすぐに響いてきた雷鳴がうちの屋根の真上で破裂し、その名残りが消えないうちにもう次の雷が破裂していた。次から次へと重なりあう雷鳴は、手でつかめそうなくらい近くに聞こえた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
「電話」カテゴリからランダム5
僕は二十回までベルの音を数えていたが、それからあとはあきらめて鳴るにまかせた。いつまでもそんなものを数えつづけるわけにはいかないのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
電話の向うで椅子にゆったりと座りなおし、脚を組んだような雰囲気が感じられた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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