池のまわりの木立から蝉の声が遠い海鳴りのように巨大なかたまりになってかれらにおしよせてくる。
大江 健三郎 / われらの時代 作品を確認(amazon)
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蝉(せみ)
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単語の意味
蝉・蟬(せみ)
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
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蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
鼻のつまったようなみんみん蝉の声
長塚 節 / 土 amazon
庭で蟬が鳴いている。ヒグラシだ。 カナカナカナ…… 澄んだ高い音調は、窓に映る夕映えの色とよく似合って美しい。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
真上から、直射日光を残された四人にあてている。土下座した四人の影が黒く地面にうつり、蟬がまた、その光った空気を裂くように鳴きはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
蝉が俗界の執念を奏でるように鳴きさかる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
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寄せてはまた打ち返す波のようなその(ヒグラシの)声
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
たくさんの蝉が松の枝にしがみついて、声を限りに鳴いていた。夏は今が盛りだったが、蝉たちはそれが長くは続かないことを承知しているようだった。彼らは残された短い命を慈しむように、声をあたりに轟かせていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
小さな、赤い身体が可愛らしく、星のような黒い印はそれぞれが小宇宙にも思え、さらには、不運に満ちている七尾からすれば、ラッキーセブン、七つの星は憧れの模様と言っても良かった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
どこからか入り込んだ小さな蛾が風に揺られる紙片のようにひらひらと漂っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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